日本人は古来、桜はすぐ散ってしまう、そこにある儚さを好んできました。葉桜ではだめ、時代劇の遠山の金さんの刺青のように、桜の花吹雪のみの貴重な時間を日本人は大切にしてきました。
京都の平安神宮の桜というのが、かなり趣があるというのを、谷崎潤一郎の奥さんの松子さんがエッセイで書いています。ただ、旅行で行ったのでは見頃を推し量るのが無理、住んでいる人でも入場制限があって見れるかどうかわからないそうです。その見頃と言っているのが、満開なのか、花吹雪なのか、というのは定かではないです。
私の場合、桜の儚さについては、学校の古文の時間に教わっただけで、それ以外では、花吹雪じゃなきゃダメなどと言われた覚えはありません。例えば桜が明日の雨で散ってしまう、だから満開の今日、花見に行こうと言われて育ちました。そういう人は多いのではないでしょうか?明治以降の日本人とその前の日本人は好みが違っているのではないでしょうか?
そういえば昔は桜前線というのを天気予報でやっていましたが、最近テレビにも、スマホでもやってないですね。なかなか予測するのは難しいのでしょうか?ちなみに私が子供の頃は、(年がバレますが)3~40年前は、東京都下で桜は4月の一週目の終わりの土曜日とか次の日つまり日曜日とか満開になり、桜まつりが行なわれていたのですが、今は3月末に満開になることが多いのかなと思います。
また、戦後植えた桜の木の寿命がそろそろ限界という話です。ソメイヨシノは種で苗を作ることができないため、接ぎ木でなんとかしてきたが、それも限界が来ているといいます。
時代の節目は、人間や動物と違って、植物の場合、気がついたらあれ?という感じで訪れるのかなという気がします。日本人の、人間と植物の関係が近いのが桜まつり、その日程がつきにくいのが、大方の日本人の悩みだなあと思います。
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